2016.08.23生の職業体験
上棟式も無事終わり、造作作業に追われる丸子の平屋の現場。
お盆前に息子を現場に連れて行った。高校一年生の息子は小学生の頃から大工になりたいという夢がある。
私の親父は大工だった。息子にとって祖父にあたる親父は、「大工になんてなるもんじゃないよ。」と息子の意思を否定する。苦労したことが身にしみているのだろう。
しかし息子の思いは今でも一貫していて、その気持ちを尊重し私も大賛成している。であれば、大工さんの仕事ぶりを実際に見せようと思い夏休みに現場に連れて来たのだ。
現場で大工さんは地道に筋交いや外壁下地を切っては取り付けていた。動きがあまりないので、息子にとっては何をどう作っているのか全く分からなかった様子。
本当はクレーンで建て方をしている作業現場を見せた方が、素人目には面白かったと思うがスケジュールの関係で仕方なし。
無理やり大工さんに質問をさせてみるが、思春期の男子には始めて会う人に話しかけるのは恥ずかしかったようだ。だが親父は無理やり質問させた。
暑い中やさしく答えてくれる大工さん、感謝です。
家に帰って感想を聞いてみると、正直さっぱり何やってるかわからなかったと。
仕事はやりながら覚えるもの、最初から分かるはずもないということ、私も実際そうだったことを息子に話す。
小学生のときに息子は担任の先生にこう言ったそうだ。
「俺はお父さんみたいにアイディア考えるとか、案を創ることは苦手だけど、手を動かして何かを作ることは大好きだ。だから大工になる。」
親父はその言葉を先生から聞いて、涙が出るほど嬉しかった。高校生になっても将来の希望職業に「大工」と書く息子。
いずれ私が設計した住宅を息子が作るという日が来るのだろうか。その日を楽しみに待つ…。