2011.04.20只今、提案書作成中
只今ある住宅の提案書を作成中。敷地条件は厳しいが、非常に面白い敷地である。狭小敷地ではいつも敷地と法律との戦いとなる。
例えば、隣地境界から建物までの距離を50cm離せと民法には記載してある。しかし、建築基準法ではそんなことは明記されていない。一定の条件さえそろえば隣地ギリギリまで建てることが可能なのだ。この法律上の相違がたびたび隣人とのトラブルを生む原因になっている。
今回の敷地も隣地境界までのスペースに余裕はない。いかに、法律の中で環境の良い提案が出来るか。建て主の要望にどんな形で100%回答を出せるか。
敷地条件が厳しいときに、いつも考えることが「兼ねる」ということ。全ての空間を独立して構築していくと、狭い敷地内には納まらなくなる。そこで、色んな空間を「兼ねる」のである。その結果、あまりにも大きすぎず、小さすぎずの程よい大きさ、程よい空間に抑えることができる。
そしてキーワードはもう一つ、「垣間見せる」ということ。「垣間見る」のではなく「垣間見せる」のである。「兼ねる」空間の中で、さりげなく雰囲気のあるものを演出する。見えそうで見えない、良く見ると存在している仕掛けを創っていく。これが「垣間見せる」ということ。
そして今、そんな提案書が出来上がろうとしている…。