2013.12.02エネルギー再考
小泉元首相の発言がクローズアップされている。かつて自分の側近だった安倍首相に「原発即ゼロ」を政治決断するように迫ったのだ。今、国民の間には原発再稼働への疑念と不安が入り混じってる。そんな状況下での小泉発言。改めて原発の是非を問ういい機会だ。
実は小泉元首相は原発推進派だったと言う。なぜ「原発即ゼロ」に転身したのか。それは実際に核廃棄物処分場の工事現場を視察したのがきっかけとされる。フィンランドに建設中だったその施設は、核のゴミが安全になるまで10万年間、人間社会から隔離する計画だったそうだ。
日本は未だに最終処分場建設の見通しは立っていない。政府は候補地を選定すると言ってるが、果たして受け入れる自治体はあるのだろうか。可能性はゼロに近い…。
であれば、目の前のエネルギー対策をどうするか。今現在、稼働している原発はゼロでも、実際日本は動いている。この機会に、自然エネルギーを中心としたエネルギー開発、転換に進むべきであろう。何故、政府はこれに方向転換しないのであろうか。
エネルギー危機は過去にもあった。1970年代のオイルショックである。この時も経済政策を転換し、難を逃れた実績がある。「原発ゼロ」に舵を取るのは政治にしかできない。
政治家は自分の信念を貫くことも重要だが、新たな考察に照らしての方向転換する柔軟な姿勢も時に必要と考える。今、エネルギー対策の再考を迫られる時に来ている。元首相の発言は、どこまで影響するのか。俯瞰して観て行きたい。