2009.12.06あなたは都会派?それとも田舎派?
東京から酒田にUターンしてきて丸8年が過ぎた。東京から引越して来た日はすごく寒い日で、山形道の路肩には雪が積もってたことを思い出す。
向こうでの暮らしは100%仕事が占めていた。朝早く家を出て夜は終電で毎日帰ってくる、土日も仕事なんてのはざらだった…。ライバルもたくさんいれば、やりがいのある仕事もたくさんあり、ストレスも積もっていった…。
向こうは競争が激しいので、自分から生み出していくという気持ちが無いとどんどん淘汰されていく。弱肉強食の世界である。だから、常に自分から動かしていかなければという意識が芽生えていったのではと感じる。
一方、こちらの生活は全体的にのんびりしていて、周りの人たちも人当たりが良い。1日24時間はどこに行っても同じだが、時間の進み方が向こうの3倍ぐらいに最初は感じられた。そんな環境の影響なのか、こちらの人は仕事に対する執着心が薄い人が多い。
言われたことさえしていればいいという感じで、自分から何かを変えようとか、自分から進んでやるとかという気持ちを持った人はいなくはないが少ない。波風を立てずに、毎月決まった給料さえもらえれば…と感じている人が残念ながら多いのではないか?
しかし、向こうもこっちも一長一短。私自身、もう何年か向こうにいたら酒田には帰ってこれなくなっていただろう。一サラリーマン設計士として定年を迎えたに違いない、仕事の山に埋もれながら…。仕事の規模で言ったらもちろん向こうのほうが規模の大きい仕事ができたはず。話題になるような仕事に携わることが多々あったに違いない。
こちらの生活は仕事が100%ではない。気持ちの中では仕事100%の気持ちは残っているが、実際物理的に70~80%になって気持ちの余裕が生まれた。その分自分の好きなこと、地域活動、子供の学校活動等に時間を注げるようになった。このような生活は向こうでは考えられなかった。その結果として、夫婦ゲンカがピタッと無くなった。どちらかと言うと、こっちの生活のほうが人間らしい生活を送れているような気がする。
だからと言って、仕事に対する姿勢、建築に対する情熱は向こうにいたときと一緒だと思っている。仕事の規模が大きいとか、小さいとかは問題では無く、どの位仕事に対して、建築に対して自分の情熱を込められるか。やりがいは自分で見つけるものなのだ。私は、常にこの気持ちを忘れずに建築に携わりたいと思っている、いくつになっても。
今日はちょっとまじめなカタイボヤキになりました…。